仕事をする上でのスタンスは様々な考え方があります。
今日は「人事」をしていた時にどんなスタンスで仕事に取り組んでいたかを正直にお話しします。
「突然ですが人事ってどんなイメージですか?」
面接の合否を出せる、色々な面白い福利厚生を考えられる、学生から神様みたいな眼差しで見られる、その人のキャリアを一緒に考えながら寄り添いながら・・・・・。
私は人材エージェントとして、企業の採用をサポートしているのですが、会社の様々なほころびを見てきました。
↓
・とんでもなく離職率が高い会社
・なぜ辞めるかを考えることなく、とにかく採用しまくる会社
・面接で体の良い、耳障りの良い言葉を並べて巧みに入社させる会社
・無給で残業100時間やらせる会社
・休みが年間100日切る会社(しかも休日出社は無給)
・エージェントを業者にしか思わない会社・・・・。
人事になろうとしたのは会社を中から変えられるんじゃないかと思ったことがきっかけなんです。
でも私が最初に苦しんだのは「性善説」と「性悪説」の考え方です。
せいぜん-せつ 【性善説】
人間は善を行うべき道徳的本性を先天的に具有しており、 悪の行為はその本性を汚損・隠蔽することから起こるとする説。正統的儒学の人間観。孟子の首唱。
「人は生まれつきは善であり、悪行はそれを隠すために行われる」というのが性善説です。
せいあく-せつ 【性悪説】
人間の本性を利己的欲望とみて、善の行為は後天的習得によってのみ可能とする説。孟子の性善説に対立して荀子が首唱。
「人は生まれつきは悪であり、成長の過程でしか善を学ぶことが出来ない」とするのが性悪説です。
人事は物事を多面的にとらえなくてはいけません。
(例えば)
ある社員がこう言ってきました。
社員A「昨日祖母が亡くなったので慶弔休暇を取得したいのですが」
人事「会社の決まりで何か証明となるものが必要となりますが、葬式の案内など提出できるものはありますか?
社員A「家族だけの直葬の予定なので葬式の案内など証明になるものがないんです。どーしたらいいでしょうか」
この対応をしたに「そーなんですね!分かりました、では今回は証明となるものはなしで慶弔休暇取得の手続きと弔辞金を出しますね」
と対応してしまう人事はいないと思います。
いわゆるこれが性善説ってやつですね。
人事はいかなることでも特例は認めません。特例を認めてしまえば他の社員から「なんでこの間は認めたのに私のは認めてくれないのですか?」となり収拾がつかなくなってしまうからです。
先ほどの例から何を考えるべきなのか。
・本当に葬式に行ってるの?
・ただ休みたいだけなのでは?
・慶弔休暇は給与が発生するので有休使わずに休みたいだけだよね?
これが性悪説ですね。あくまで信じないわけではないですが裏の理由がないかを思案するのです。
結局この社員は後日火葬証明書を持ってきてくれました。
性善説に引っ張られる方は物事を多面的にとらえることができない傾向にあります。
従っていち方向でしか物事を見ることができないので最悪のパターンを想定して動けないのです。
ですが本来会社運営は性善説に基づき運営すべきであると思いますし、今そうでない会社は、少しでもその方向に向かって運営をしていくことが、本来のあるべき姿なのかと思います。
人事は普段こんなことをも考えているんです、悲しくなりましたか?
笑って対応していますけど実は裏側では疑っていることもあります。
でも信じた数だけ裏切られているのも事実です・・・苦笑
だから多面的にとらえるという考えにたどり着くのかもしれません。
勿論すべての人事が当てはまるわけではないですよ、大手企業のように業務が細分化されていれば 、採用だけされる方、労務、制度企画だけされる方など様々ですので該当しないかもしれません。
ただ中小企業ですとなんでも自分自身でやらなければいけないので、逆の見方をすれば力はつきますね!
人事を目指している方はこんな事案もあるので是非、頭の片隅に入れて転職活動をしてくださいね!